旭川改造計画趣旨

旭川の問題を解決するために

人口、経済ともに低迷する旭川の現状を打破するために旭川改造計画を発案いたします。

 現在の日本は少子高齢化とあわせて地方格差が問題視されており、当然旭川も他の地方都市と同様にそれらの影響を受けており、必ずしも現在の「旭川の在り方」に問題があるとは言い切れませんが、北海道内にて人口は2位でありながら、経済規模は5位であることや、全国を巡業している興行関係者などから、旭川は異質な感があり、各種興行も他の旭川よりも人口の少ない地方都市よりも集客しづらい、盛り上がらない等の声は多く聞きます。
 以上のことより、旭川特有の何らかな問題点があると考えられます。

 もちろん、旭川は道北の位置にあり、流通や観光などには不利な環境とは言えますが、旭川よりも不利な状況の街の方が観光客が多かったり、街に活気があることから言えば、不便な地理が上記問題の原因の全てとは言いかねます。

 そこで、旭川特有の状況を調査した結果、一つの特徴にたどり着きました。
 それは、人口規模に対して街の大きさが大きい。ということでした。
 「街の大きさが大きい」といういのは、単純に土地の面積が大きいことと、公共の施設が多かったり大きかったりすることです。
 人口が同規模の他の地方では旭川の様に駅前に大きな歩行者専用道路があり、それに沿っていくつもの百貨店(デパート)がならび、その先には市役所、市民文化会館、公会堂、図書館、科学館などがあるような状況は非常に稀です。
 実際に旭川市民はこれらの施設を持て余しており、近年にはとうとう百貨店がなくなってしまいました。
 一方旭川市内の永山、豊岡など中心部から離れた各地域には大型のショッピングモールなどが存在し、その地域の方々はそれらの施設を中心に生活しています。
 中央や他の地域に行く必要なく生活することができます。

 つまり、旭川の現状は34万人の人口があるというよりも、3~5万人規模の小さな街が点在している地域。ということが言えます。

 上記は主に買い物など生活に関する場合ですが、仕事をする場合も車社会のために、自宅を出た後は会社に着くまでにほぼ誰にも会わずに出社し、営業職など外回りの仕事でない限り、同じ会社内の人間、或いは同じ部署の人間としか接することがありません。
 帰社する際も同じように誰にも会わずに自宅にたどり着くことができます。

 一昔前は、いいことではありませんが、出社後居酒屋などで食事をして、お酒を飲みながらコミュニケーションをとって、そのまま車で帰宅。ということもありましたが、現在はそうはいきません。
 車社会ゆえに、飲食によるコミニュケーションの機会が大きく減っています。

 しかし、旭川の中心部を中心に上記のような数多くの立派な施設や動物園があったり、観光客も旭川ではなく、美瑛や東神楽などを観光したいのだが宿泊施設が少ないのであ旭川に泊まるということがありますので、旭川市民は一方で経済的な不安を抱えつつも、ある意味誇り、自信のある生活をしているので、経済に対する危機感が薄いとも言えます。

 高度経済成長期前後の旭川市民と市長を含めた市政が、旭川を魅力的な街に作り上げていただきましたが、身の丈に合っていない現状が、現在では低迷の原因となっているかもしれません。

 また、別紙「即戦力学校計画」などでも説明していますが、車社会によってあらゆる意味での想定外の人と出会う可能性が非常に稀なので、旭川市内の情報を知る手段が少なかったり、出会いがなかったり、刺激を受けるようなこともとても少ないです。それらは仕事面においても、娯楽などプライベートな面においても同じです。

 もし旭川が、札幌や東京のように電車、地下鉄の様な公共の交通手段が至る所に張り巡らせれており、それらが中央(駅)に繋がっており、多くの人が中央に必然的に集まるような環境ならば、車を使うことを減らし、公共の交通機関を利用することで上記問題が解決されることがありますが、旭川は雪が多かったり川が多いので困難の状況ですので、別な方法を取る必要があります。

 その方法とは、住居や職場など人が生活さする空間を中央に集中させることです。
具体的に言うと、規模は異なりますがフランスのパリなどのヨーロッパの都市部のように中心部に中層(5~8階建て程度)の建物を道路沿いに整然と配置することです。
顕著な例としてはスペインのバルセロナです。

 全ての建物ではありませんが、多くの場合1~2階の低層階は事務所や商店になっていて、その上は住居です。より都市の中心部に近い場合は上層階まで事務所が入っていたり、街はずれでは低層階も住居が多いです。
限られた狭い地域に住んで、仕事もします。

 必ずしもヨーロッパの街並みが、経済的なことを意識して作られたとは限りませんが、結果的に効率がよく、経済もよく、活気のある街並みになっています。またそのような街並みが観光客を呼び寄せることもよくあります。
 スペインは景気がよくありませんが、バルセロナが独立を望むほど他の地域より経済的に良い状況なのはそれらの要素が理由の一つだとだと言えます。

 これらの街の構造はヨーロッパでは、中央都市でも人口が少ない地方都市でも同様で、地方都市は中央都市の一部を切りとって、配置した様な感じで、中央都市の中央駅周辺などの極端な密集地域以外の雰囲気と、地方都市の雰囲気にそれほど違いは感じられません。

 実際に筆者はドイツベルリン郊外の人口2万人ほどの地方都市に住みましたが、そこでは一歩家の外に出ると必ず多くに人と出会い、近くの広場に行くと大変賑わっていいます。

 ところで、なぜそのように日本とヨーロッパの街並みが違うのかと言うと、色々な理由がありますが、一つは建材の違いです。
 日本は主に木造建築なのに対して、ヨーロッパは高い建物の建築が可能な石を材料にしています。

 また、昔から小さい地域での紛争が多く有ったために街を城壁で囲む必要があり、そのため狭い土地に多くに人を住ませる必要があるので、建築を密集させ高くする必要がありました。
 日本は、城壁はやはり木造が多いので燃えやすく、壊れやすく、また元々大きく作りにくいので、それほど普及していません。また農耕民族のために農地を求め土地を求め高さではなく広さを求めて開拓しました。

 旭川でも日本在来の要素と、土地が安いことやマイホームブームなどがあり、中央に集中するよりも街の外へと住宅地が広がり、そこから職場に通うためには車が必須となり、車社会となりました。

 現在も子供の教育には集合住宅よりも戸建ての方が良い側面があり、戸建てを求め、旭川郊外まで宅地を広げる傾向はありますが、一方では老朽化、後継者不在のための空き家も増えています。
 また、北海道では多くはありませんが宅地を広めるために急勾配の土地など、本来人が住むべきではない場所に住宅を立てたために、無理がかかり長雨などにより家が流されたり、土砂崩れの被害に合うケースもあります。
 さらに、野生の動物により田畑が荒らされる獣害も上記が原因とも言えます。

追記 > 旭川をヨーロッパの都市並みの構成にした場合